可哀想な干し柿ジャム物語
あるところに20個の干し柿ジャムが生まれました。
食べてほしいのに冷凍庫に閉じ込められて邪魔者扱いされていました。
閉じ込められてから暫くして、お母さんの妹の知り合いで何でも食べてくれるという家族の元に行くことになりました。
ついにお別れの日が来ました。
お母さんは3個だけ冷凍庫に残し妹に17個渡しました。
実はお母さんは干し柿ジャムを食べるために考えていたことがあったのです。
だけど、めんどくさがり屋のお母さんはなかなかやる気が起きず時間だけが過ぎて、干し柿ジャムはもらわれて行くことが決まったのでした。
お母さんはこの期に及んで3個だけトリュフに変身させることにし、ちょうどパルシステムのカタログに載っていた焼きドーナツを注文しました。
そしてバレンタインデーの時期に買ったままパントリーに閉じ込められていたチョコレートをようやく解放しました。
お母さんは干し柿ジャムを電子レンジで解凍し焼きドーナツを細かくちぎって入れ、ひとまとめになるように混ぜ合わせました。
次にそれをボールにして、湯せんしたチョコレートでコーティングしました。
お母さんは生まれて初めてチョコレートを湯せんしたので焦ってしまい、ムスメちゃんに助けを求めてカラースプレーやアラザンでデコってもらいました。
でも終わってみるとチョコレートは固まっていませんでした。
冷蔵庫で冷やさないとカチカチに固まらないことをお母さんは知らなかったのです、焦ることなどなかったのです!
気がつくと、湯せん&コーティングの写真は1枚も撮っていませんでした。
閉じ込められていた干し柿ジャムは不恰好なトリュフに変身させられ、望みどおり食べてもらうことになりました。
お母さんとムスメちゃんが少しずつ食べ、お正月にはこの世からすっかり消えて無くなるでしょう。
お・し・ま・い ♪(おそらく)