入院生活最後の夜
この病室は回転が早く………
んー、飲食店じゃないんだから、この表現はよろしくないのかなw
まぁとにかく毎日退院する人がいて、私は4泊したのだが毎日顔ぶれが違うということ。
10年程前、子宮外妊娠の疑いで入院した時も4人部屋だった。
同室のママさん達が次々とお産をして、お見舞いに来た人達に「おめでとー♪」とお祝いされている中、私は「子宮外妊娠だったら大量出血で緊急手術になるかもしれません」と言われていた。
私はどうしてもダンナの赤ちゃんを生みたかった。
ダンナは初婚なのに私の子ども達を当たり前のように養子にしてくれ、ダンナの両親も子ども達を可愛がってくれている。
血の繋がった子が生まれたら、それはそれは喜んでくれるだろうと。
そんな気持ちだったので、同室の幸せオーラに耐えきれずダンナの顔を見るなり号泣してしまい、ダンナはすぐさま個室に移動する手配をしてくれた。
結果10日程入院し流産だったが。
ああーそんな経験あるんだからドライヤーの件も、もう少し考えてればなぁ。
うぅ…でも思い過ごしかもしれないから切り替えよっと。
で、今回はそんな繊細な入院ではないので迷わず4人部屋を選んだ。
他の部屋はわからないが、私がいる部屋は退院する人が毎日1人、2人。
他の部屋から移って来たり移って行ったり。
入院生活最後の夜を迎える昨日も私以外の3人が入れ替わった。
カーテンで囲っているので顔を合わせることはないが、話しの内容や気配でその内の2人は重い病気で入院しているらしいとわかった。
夜が来た。
食事を終え、皆さん就寝準備をしている気配。
すると何やら水音が………ゴポゴポゴポゴポ………
この人、酸素吸入だ。
痰がらみの咳もしてるし痛みもある。
今夜は眠れるかな~と思いながら本を読んでいると「グッ、グガッグガッ!」とイビキ。
この人は無呼吸症候群ではないだろうか。
この水音の中でよく眠れるな~と思いながら本を読み続けていると、点滴スタンドを押しながら何度も何度もトイレに行っている。
この人は強い薬を何種類も点滴するって言ってたなぁ。
この三重奏の中で眠れるわけもなく………
看護師さん、この部屋の夜勤は私がやりましょうか?
と言えるくらい一睡もできなかった。
言うわけないけどw
私は元気になったんだ。
もう家に帰りなさいってことだなと感じた入院生活最後の夜だった。
帰ろうね