HOKUSAI
この映画もコロナ禍で1年遅れの公開。
出かける時チャタジーに「珍しいジャンルの映画を観るんだねー」と言われたが、お正月にNHKの伊藤若冲のドラマを観てたじゃないか!ちょっとBLっぽいヤツ。
ま、興味が無いと5分前のことも憶えてない人だからもうどうでもいいけどね。
そして駐車場に出ると、何かいる!
近寄っても動じないw
カワイイけどwこれでは発車できないぞ。
この子は以前からいる子かなぁ?
この辺りにはいったい何匹いるんだろう?
なんとか出てもらえた
では映画館へ出発。
やっと「HOKUSAI」に入りますよ。
まず目に飛び込んできたのは題字だ。
書家の伊藤康子さんというかたが書いたそうで、北斎の波に負けないくらい勢いのあるカッコイイ文字だ。
文字もアートなんだよね、芸術家ってスゴいわ。
文字って伝達とか記録のための記号だけど元々は簡単な絵なんだもんね、そう考えると文章の内容プラス文字にも気持ちを込めることができるわけか………なるほどね!
葛飾北斎はアメリカの有名な雑誌で「 この1000年で偉大な功績を残した100人」に唯一の日本人として選ばれた世界的アーティストだ。
今度の千円札のデザインにも使われるんだってね、北里柴三郎氏の裏に。
そんなにスゴイ人だが、この映画を観る限りいわゆる「天才」ではなかったように感じた。
青年期までの資料が殆ど残ってないらしく、どのくらい史実に忠実かはわからないが、地道な調査研究を重ね地道に描いて描いて描きまくるようなイメージ。
もちろん着眼点と精密性は天才的だが。
「描きたいものを吐き出し………云々」とか「俺はできることをやるだけだ」などというセリフがあったが、私は常々、創造性って感情と同様で生理現象だと思っている。
自分の内側に現れたものを吐き出さずにはいられなくなる。
それをやめろと強要され処罰の対象になるなんて、どれほどの苦痛だろうか。
逆にそれが誰かの心に響いたり役に立ったりすれば職業にすることもできるが、そうなると指図されてムリヤリ創造しなくてはならなくなる可能性が出てくる。
あ~、それでも指図どおりのモノを創造するのがプロかw
イヤそうか!自分の内側に現れたモノ全てが人の心に響くくらい突き抜けた人になればいいんだ、北斎のようにwww
決して動かぬ北極星はブレることはない。
いつか指図されずに生きていける世の中になる、と北斎は強い信念を持って90年生きたが、その90年間では変わらなかった。
現在の日本は、制限はあれど表現の自由の権利は補償されている。
でもその時代の常識とは異なる考えを持つ人たちは、多数派の圧力に潰されて表現の自由を奪われる世の中だ。
バズったモン勝ち?炎上上等?
単純に多数派が正しいとなると、周りの人の顔色をうかがい八方美人になって、どこにでも居場所を作っておく必要に迫られる。
そこに所属しておけば安心だから。
触ると火傷するぜ!くらいに尖っていた火の青年期、プライドをズタズタに打ちのめされ人間らしい行動がどうでもよくなった時に残ったのが、雨、山、草木、海、風、星などに囲まれている自分だった。
時が経ち相変わらずな世の中を憂うも、大風に吹かれて揺さぶられてしまう自分を受け入れる老年期。
弾圧から逃れ続ける知恵や運があり、酒は飲まない贅沢な物は口にしないのが長生きの秘訣だったのだろうか。
「こんな体になったから見えるものがある」には、いちばん共感できた。
わかる! あの経験があってこそ見えるようになった。
この歳になったから見えるようになった。
絶望的な状況になったことがあっても、今生きているから見えるようになったのだとわかった。
北斎さん、やっとここまで来たよw
ぷちこよ! m9(・∀・)まだまだだな!